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がんに伴う痛み以外の症状

 癌が進行すると強い痛みを伴うようになりますが、痛み以外にも全身にさまざまな症状が現れます。また、抗がん剤や放射線治療などの治療に伴う副作用が原因で症状が現れる事もあります。痛み以外にどのような症状があるのでしょうか?

目次

※当サイトは医療専門職が監修した膵臓癌に関する情報を提供していますが、インターネットや本の情報だけで自己診断するのは大変危険です。疑われる症状がある場合は専門医を受診する必要があります。膵臓癌が疑われる場合は消化器内科を受診することをお勧めします。

吐き気・嘔吐


吐き気を感じる人 がんの病巣が胃や腸などの消化器系、脳などに広がっている場合や、抗がん剤治療の副作用、モルヒネなどを使用した疼痛緩和治療などによって、吐き気や嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。

 がんの病巣が吐き気や嘔吐の原因となっている場合は、原因を取り除くためにがん自体の治療が最優先となります。

 また、抗がん剤治療を行うと多くの場合で吐き気などの副作用が起こります。この場合は制吐作用のある薬を併用する事で副作用を抑えるようにします。嘔吐が激しい場合には脱水症状を起こすことがあるので、水分補給を欠かさないようにしましょう。また、がん治療中は抗がん剤などによって免疫力が低下しているため、嘔吐したあとは必ず口の中をすすいで口内を清潔に保つようにしましょう。

不眠


不眠の人 がんが進行すると、がん性疼痛を始めとして吐き気や呼吸困難など、さまざまな症状が現れるようになります。それらの症状によって眠りが浅くなってしまうほか、治療に対する不安や死への恐怖などによって眠れなくなることもあります。つまり、身体的苦痛と精神的・心理的苦痛によって不眠が起こります。

 不眠の原因が身体的苦痛である場合は、鎮痛薬や制吐薬などによって症状のコントロールを行うほか、寝具を見直すことで眠りやすい環境作りを行ったりします。不眠の原因が精神的・心理的苦痛による場合は、カウンセリングなどによって不安感を和らげたり、治療に関する疑問や不安を解消したりするようにします。そのほか、必要に応じて睡眠導入薬を使用する事もあります。


食欲不振


食欲不振の人 がんの病状が進んだり、治療の副作用によって吐き気や嘔吐、便秘、下痢、味覚の変化などが起こるようになると、食欲不振になることがあります。吐き気や嘔吐がひどく、口から食事を取れない場合は、点滴や中心静脈栄養法、経管栄養法などを用いる事があります。

 中心静脈栄養法とは、首や胸からカテーテルを挿入して中心動脈に通し、そこから栄養剤を注入する方法です。また、経管栄養法とは胃または小腸までカテーテルを挿入し、直接流動食を注入する方法です。

 しかしながら、食事をするということは生活の中で楽しみの1つでもあるので、食べやすくした食事を少量ずつ摂るようにしたり、薬によって少しでも食欲低下の症状を和らげたりする努力も大切です。また、食器や部屋の雰囲気を変えてみることも効果的です。

 このほか、治療の副作用によって味覚が変化し、苦味を強く感じたり、甘みを強く感じたり、金属のような味に感じることもあります。しかし、このような味覚の変化は日によって異なることがあるため、一度食べにくいと感じた食べ物でも、数日後には食べられるようになることもあります。諦めずに少量ずつ試してみるとよいでしょう。

嚥下障害


 がんが進行して身体が衰弱すると、免疫力の低下にって口の粘膜が荒れたり、口内炎ができやすくなったり、飲み込みが困難になる嚥下(えんげ)障害が起こることがあります。嚥下障害が進むと固形物だけでなく流動物の摂取も困難になり、やがて水分の摂取も困難になります。

 嚥下障害がある場合は、食材を細かく刻んでとろみをつけると食べやすくなります。また、ゼリーのような軟らかいものは比較的食べやすいので、プリンやゼリー、茶碗蒸しなどをすすめるのもよいでしょう。

 どうしても口から食べ物を摂取するのが困難な場合には、中心静脈栄養法、経管栄養法などを用いる事があります。中心静脈栄養法とは、首や胸からカテーテルを挿入して中心動脈に通し、そこから栄養剤を注入する方法です。

 また、経管栄養法とは胃または小腸までカテーテルを挿入し、直接流動食を注入する方法です。カテーテルの挿入は鼻から行うのが一般的ですが、それができない場合にはわき腹などをわずかに切開して挿入します。


便秘・下痢

下痢や便秘の人
 治療による副作用から水分摂取が少なくなったり、体力が低下して運動量が減ったりすると、便秘がおきやすくなります。また、がんに対する強いストレスや鎮痛剤の副作用などによっても便秘が起こることがあります。

 便秘の治療には食事内容の見直しや腹部マッサージ、緩下剤などが用いられますが、それでも排泄が難しい場合には浣腸(薬を直接肛門から入れて排便を促す)や摘便(肛門内に直接指を入れて便を排出する)が行われることもあります。

 また、がんの病巣が消化管にある場合や、放射線治療、抗がん剤治療の副作用などによって下痢が起こることがあります。下痢が起こった場合は食事内容を見直す(冷たいものや刺激物を避ける)とともに、医師が処方した下痢止めを服用するようにします。

褥創(床ずれ)


 褥創(じょくそう)とは皮膚に局所的な圧迫が続く事で皮膚が壊死したり、潰瘍になったりするもので、床ずれともいいます。健康な人は寝ている間に何回も寝返りをうっているため問題はないのですが、手術後で体力が低下していたり、身体が衰弱して1人で寝返りがうてないでいると褥創が起こることがあります。

 褥創を防ぐにはこまめに体位変換を行う事が大切ですが、難しい場合には身体の下にエアマットやクッションなどを入れて体位変換を行いやすくしたりします。褥創ができてしまった場合には、酸素を透過し細菌の侵入を防ぐ被覆材で褥創面を覆ったりするようにします。

 以前は傷口を乾燥させるとよいと考えられていましたが、現在では傷口だけは乾燥させすぎないほうが治りがよいとされています。褥創のできやすい場所として、後頭部、耳、肩、肩甲骨、肘、手首の関節、尾てい骨、腰骨、膝、くるぶし、かかとなどの周辺があげられます。

喀たん困難


 呼吸器に病巣が広がっている場合や、身体が衰弱して体力が低下していると、喉にたんがからんで呼吸困難が起こったり、飲食物の誤飲や誤嚥を起こす事があります。

 健康な人の場合はたんがからんでも咳払いなどをすることによって自力でたんを吐き出すことが可能ですが、がんが進行して身体が衰弱してくると、うまくたんが吐き出せないようになってきます。

 そのような場合には、吸引機のホースを気道周辺に挿入し、たんなどを吸引するようにします。病院の場合は主に看護師が行いますが、自宅療養の場合には看護師の指導を受けた上で家族が吸引を行います。また、軽く背中や胸を叩いてたんの排出を促したり、吸入器でたんを軟らかくする薬をたんに含ませ、たんを出しやすくしたりします。



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